管路更生事業のプレゼンス向上に向けて

新年明けましておめでとうございます。
昨年暮れにはサッカーワールドカップが開催され、日本がドイツ、スペインといった強豪国を破り決勝トーナメントに進出するという大活躍を見せてくれました。長く続くコロナ感染症をはじめ、ロシアのウクライナ侵攻や円安による資源・物価の高騰、さらには、元首相の暗殺など、暗い出来事の多かった中、国民を勇気づける明るいニュースで、新鮮な興奮を味わうことができました。
管路更生事業を見ると、社会経済が依然不透明な状況ではありましたが、下水道の老朽化対策の重要性から事業量は落ちることなく順調に推移してきており、今後も更生工法に対する期待は増してくるものと思われます。
更生工法業界としては、エネルギーや資材の高騰はしばらく続くと思われ、さらには技能者等労働力不足など大変厳しい事業環境の中ではありますが、着実な事業の推進にこれまで以上に貢献し、この期待に応えていかなければなりません。そのためには、エネルギーや資材の供給・調達、人材の確保・育成に官民はもちろん関係者間の緊密な協力が必要であり、更生工法の一層の品質の確保、信頼性の向上が欠かせません。
品質確保協会はこれまで、更生工法の技術力の向上、技術者の育成等に取り組んできました。これは各工法の安全で確実な施工、不良工事の撲滅によって、更生工法の信頼性向上、普及拡大を図るためですが、目標とするところは管路更生業界全体の信頼性向上、社会的地位の確立にあります。すなわち、管路更生事業が社会インフラの機能の維持、向上に大きな役割を担っていることを広く認識してもらえる存在になることです。
それによってはじめて、代価・歩掛り・積算等における適正な評価、財源確保、人材確保が可能となってくるのです。
今後に向けて、社会的な認知度のアップ、発信力・発言力の強化が必要と考えます。組織力の強化、開かれた業界となることが求められています。そこで、会員数の拡大を図るとともに各工法協会間の連携強化に努めること、会員間の情報の共有化、広報誌やホームページを活用した一般へのPRの充実を図ることなどに取り組んでいかなければなりません。さらには、SDGs や働き方改革など社会的な課題への積極的な対応も重要になってきます。
社会がその存在価値を認め、人々が魅力を感じる事業となるために、更生工法業界全体の発展に向けて、より広い視点からの活動に取り組んで参りたいと考えています。協会会員ならびに各工法協会のみなさまの一層のご理解とご協力をお願いいたします。
本年が、みなさまにとって明るく幸多き年となりますことをご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
一般社団法人 日本管路更生工法品質確保協会
会長 小川 健一